もん旅

monz(もんず)の旅の話です。

もう旅は時代遅れ。

この時代に旅をすることは時代遅れであるということを最近よく聞く。

今はなんでもインターネットで検索できる、外国人とはSNSで簡単に繋がることが出来る。

外国を見て回る旅だけなら自宅で出来てしまう。

確かに旅は効率が悪い。

 

実際、最近になって外国との距離は物理的にも情報としてもぐっと近くなった。

外国と接点を持つことは誰でも自宅で簡単に1秒でできる時代が今だ。

 

でも、はたして本当に旅は時代遅れなのか?

確かにインターネットのおかげで簡単に外国と接点を持つことはできるようになった。

わざわざ外国に行かなくても外国をつかむことが出来るようになった。

けれど旅独特の感覚はまだまだインターネットでは感じることができない。

 

世界の国々特有のあの匂い。

埃ぽかったりジメジメしたり、信じられないほどの暑さや寒さ。

吸い込まれそうな暗闇。

自分の安全が保障されていない不安と反比例する好奇心。

相手に自分の意思を伝えるためにフル回転する脳。

物乞いや客引きを振り切るための精神力。

これらどれも日本にいるだけではわからない。

 

なにより、旅に出ると一番感じることができるものは自分自身だ。

旅は自分と真正面から向き合うことが出来る。

旅は自分が行動しなければ何も始まらないし進まない。

異世界に身を置いたふわふわした状況によって研ぎ澄まされる自分の感覚は、旅以外では味わうことができない。

自分がこんなに恵まれていたのか、こんなことに興味を持っていたのか、こんなことが出来るのか、こんなに弱いのか。

自分の知らない所を一気に洪水のように見せてくれるのが旅。

いくらインターネットで検索してもこればっかりはヒットしない。

 

アナログで非効率でだから見ることができるものがある。

旅は時代遅れだからいいんだよ。

インド一周の予算はこのくらい?

インド一周するためには時間が必要。

1週間やそこらでは到底行けないであろう。

1か月でも怪しいんじゃないかな?

期間は決めずに1~2か月で回ることをめざす。

 

そこで仕事を辞めることにした。

前回のブツブツ世界一周から帰国して3年務めた病院。

年齢は31歳になった。

看護師だから再就職はそんなに心配することないだろうと何も考えずに辞めた。

 

インド一周にはどのくらいのお金がかかるだろう?

インドは物価は低い。

昔に比べたら上がってきたとはいえまだまだ低い。

安宿に滞在するだけなら食事込みでも一日1000円でいけるんじゃないかな?

貯金なら少しある。

インド一周の予算は30万円とした。

 

一つ問題があった。

インド一周する時期である。

インドは雨期や乾季といった季節がある。

雨期はいつも大雨で旅をするのが大変らしい。

だいたい6~9月が雨期。

仕事を辞めたのは6月末。

絶賛雨期真っ只中であった。

これもあまり考えていなかった。

しょうがないので10月まで待ってからインドに行くことにした。

 

ということで9月現在の私は今まで約3ヶ月ニート生活をエンジョイしている。

読書やテレビゲーム、ジムを毎日楽しんでいる!

最高だ!!

このまま一生過ごせればいいのに!笑

9月に入ってから本格的にインドの準備をしていく。

このブログも準備の一つである。

インド一周するわけ。

ブツブツの世界一周が終わって看護師に戻ってからも、年に1回は1週間の休みをとってプチバックパッカーをしていた。

行くところは主にアジア。

やっぱり旅は好き。

しかし本当に行きたい所にはなかなか行けないでいた。

やっぱりインドに行かないとな。

 

実はインドには今まで3回、行こうとしていた。

1度目はビザもとって航空券もとっていたが、なんと出発日が3.11の東関東大震災が起きてしまった。

飛行機は飛ばないし、旅など行ってる場合ではなくなってしまい断念する。

2回目は格安旅行会社で航空券を購入すると、ダブルブッキングにあってしまった。

代わりの航空券は3日後のフライトになってしまうので、休みの間に行くことが出来なくなってしまい断念。

3回目はインフルエンザになってしまい断念。

 

行っていなにのパスポートにはインドビザだけ3つも付いてしまっている。

『インドは呼ばれないといけない。』

そう、私はインドには呼ばれていなかったのだ。

 

しかし去年、4回目にしてとうとうインドに行くことができた。

一週間の休みだったので滞在できるのはせいぜい5日。

デリーからバラナシまでの鉄道の旅にした。

電車は遅延するは両替で偽札つかまされるはと濃いインドデビューであったが、聖なるガンガーのご来光をみれて幸せだった。

 

けれどまだ物足りない、なんだか中途半端。

確かにインドには行った。

これで旅人を名乗っていいものなのかな?

 

それに5日間しかいられなかったインド。

インド自体まだまだ足りない。

インドは行くと、好きか嫌いか極端にはっきりするという。

私の場合、完全に惚れてしまったタイプだ。

 

インドのどこがいいの?とよく聞かれる。

これはいつも答えに困る。

いちよ『インドはぐちゃぐちゃだからいいんですよー』と答えるが、相手はいつも苦笑いだ。笑

 

インドはぐちゃぐちゃ。

これ以外に適切な表現を思いつかない。

旅をしているとよく感じることができる『今、自分はここにいる。』という感覚。

充実感というか生きているという感覚。

日本で普通に生きていたら私は残念ながらこれをあまり感じることができない。

インドのぐちゃぐちゃに自分を浸すことで、これをさらに感じることができるのだ。

 

もっとぐちゃぐちゃに自分を浸したい。

どうしたらぐちゃぐちゃに浸れるか?

インド一周を思いついた。 

インドに行かないと旅人ではない。

『インドに行かないと旅人ではない。』

私はなんとなく一人でそう思っている。

 

初めての外国はオーストラリア。

看護師の研修で訪れた。

もう10年くらい前になる。

ゴールドコーストの空気は外国なんてテレビの中でしかみたことがなかった私の心にべったりとはりついた。

 

研修仲間とカフェに行ったときにその人はいた。

髪はボサボサでアジアン雑貨に売っているようなもっさりとした服をその人は着ていたた。

日本人だと思わなかった。

絶対に話しかけちゃいないヤバいやつだ。

それが第一印象。

 

その人はこっちに気がつくと『日本人?』と聞いてきた。

もう2年近く旅をしているらしく最近の日本のニュースや芸能について聞いてきた。

スマホはまだ普及していない。

旅人が海外にインターネットを持ち歩くのは普通ではなかった。

 

その人はあと2~3日後にはオーストラリアを出て、シンガポールからアジアを西に抜けてインドで旅を終えるという。

バックパッカーという言葉をこの時初めて知った。

インドから始まって世界一周をしてインドで終わる旅だそうだ。

この旅が初めての海外らしい。

びっくり。

なぜインドから旅を始めたのか聞くと、『インドが呼んでいたから。インドに行かないと旅人じゃない。』と答えた。

なんで旅なんかしているのかも聞いたら、『それもインドが呼んでいたから。』と答えた。

ぽかんとしてしまった。

 

世界一周。

看護の研修に行ったのに心に唯一残ったのはこの言葉だった。

それからは世界一周について調べまくった。

本、コミュニティ、旅行会社。

どのくらいの期間でいけるのか?

いくらかかるのか?

 

それから約3年、看護師を辞めてとうとう世界一周に行くことにした。

オーストラリアから出発してアジアを北へ、中東は不安だったのでバンコクからヨーロッパ。

ヨーロッパは物価が高くて長くいられずとりあえずアメリカへ。

英語が話せないことをネックに感じてそこからフィリピンで語学留学。

そこで世界一周の心はポキリと折れてしまった。

 

約1年3ヶ月ふらふらしたが、世界一周なんて到底言えないブツブツな旅。

もちろんインドには行っていない。

それでも海外を回って知見が広がった自己満に浸り、また日本で看護師として落ち着いてしまう。

 

けれど何かもやもやしていた。

魚の骨がノドに刺さっているような嫌な感じ。

 

『インドに行かないと旅人ではない。』

そうだよね。