もん旅

monz(もんず)の旅の話です。

もう旅は時代遅れ。

この時代に旅をすることは時代遅れであるということを最近よく聞く。

今はなんでもインターネットで検索できる、外国人とはSNSで簡単に繋がることが出来る。

外国を見て回る旅だけなら自宅で出来てしまう。

確かに旅は効率が悪い。

 

実際、最近になって外国との距離は物理的にも情報としてもぐっと近くなった。

外国と接点を持つことは誰でも自宅で簡単に1秒でできる時代が今だ。

 

でも、はたして本当に旅は時代遅れなのか?

確かにインターネットのおかげで簡単に外国と接点を持つことはできるようになった。

わざわざ外国に行かなくても外国をつかむことが出来るようになった。

けれど旅独特の感覚はまだまだインターネットでは感じることができない。

 

世界の国々特有のあの匂い。

埃ぽかったりジメジメしたり、信じられないほどの暑さや寒さ。

吸い込まれそうな暗闇。

自分の安全が保障されていない不安と反比例する好奇心。

相手に自分の意思を伝えるためにフル回転する脳。

物乞いや客引きを振り切るための精神力。

これらどれも日本にいるだけではわからない。

 

なにより、旅に出ると一番感じることができるものは自分自身だ。

旅は自分と真正面から向き合うことが出来る。

旅は自分が行動しなければ何も始まらないし進まない。

異世界に身を置いたふわふわした状況によって研ぎ澄まされる自分の感覚は、旅以外では味わうことができない。

自分がこんなに恵まれていたのか、こんなことに興味を持っていたのか、こんなことが出来るのか、こんなに弱いのか。

自分の知らない所を一気に洪水のように見せてくれるのが旅。

いくらインターネットで検索してもこればっかりはヒットしない。

 

アナログで非効率でだから見ることができるものがある。

旅は時代遅れだからいいんだよ。